4.
「そうじゃなくて、
俺、ただ、心配で……」
抱く腕に力がこもる。
「やっぱり細くなった気がする」
少し体を離しヒカルの頬に触れた。
彼女の頬は柔らかくて温かい。
自分を見上げるヒカルが可愛くて、
魁斗は恥ずかしくなって目を逸らす。
「じゃあ一緒に夕飯食べて?」
その台詞に少し驚く。
ここは帰り道。
そんな飲食店なんてあった記憶がない。
「え?」
「私何か作るから」
ヒカルはにっこり微笑むが、
魁斗は頭が追いつかない。
「それって……お前んちで?」
「うん、そうだよ?ダメ?」
ダメとかそういう問題では……。
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