3.
暗い道だから、
魁斗はいつも繋ぐ手を腰にまわしてくる。
最近若い女性に人気が出て来た彼とのデートは難しくなってしまったけれど、
会える時はこうして幸せな気持ちにさせてくれる。
「……お前、
ちょっと痩せた?」
「え?そうかな……」
忙しくてごはん抜きにしちゃう日も多いけど……。
そんな魁斗が気付く程痩せるような事してないけどな。
「ちゃんと食えよな」
魁斗はハァッと大きな溜め息を吐く。
「ごめん」
「や、そうじゃなくて……」
ヒカルが謝ると魁斗は焦ったような顔をした。
そしてもう1度溜め息を吐き、ヒカルを抱き締めた。
「悪い……そうじゃない」
「魁斗さん?」
ヒカルの髪を優しく撫で、耳にキスをした。
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