3.
パテを焼く音といい匂い。
ヒカルはハンバーガーを作りながら仕込みもこなす。
手際の良さには京也も驚く。
「よく働くこと」
ふふ、慣れですよと、
ヒカルはレタスをちぎりながら笑った。
やっと他の客がいなくなった店内が、
ランチタイムの終わりを知らせる。
「2人、お腹空かせてますよね?」
「ん?
ああ、ケントとトオル?」
「はい。
2人に差し入れでしょ?これ」
急いで作らなくちゃねと笑うヒカルに、
そんな急ぐ事はないと京也は言う。
このふたりきりの時間を満喫させてよと。
「それじゃ京也さん。
これどうぞ!」
ヒカルはホットコーヒーを差し出した。
「ん?いいの?」
「はい!これ飲んで待っててください」
「サンキュ」
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