2.
ヒカルが駆け寄り席へ案内しようとすると、
京也は「いや」とヒカルを止めた。
「今日はテイクアウト、プリーズ」
「あっ、かしこまりました!」
ヒカルは慌ててエプロンのポケットから注文票を取り出す。
「ハンバーガーを2つ」
1つはパテ3枚、
もう1つはチリソースたっぷりでという注文だった。
「2つでいいの?」
「ああ。
俺はレコード会社のおエライさんとランチして来たから」
と言う事は剣人さんと透さんへの差し入れかな。
…………
黙々とメモを取るヒカル。
「……ごめんね?」
「え?」
突然の謝罪に驚いて顔を上げる。
京也は困ったように微笑んでいる。
「そんな寂しそうな顔するなよ」
「……寂しそうでした?」
「俺にはそう見えちゃった」
ハハッと笑いながらヒカルの頭をポンポンと優しく撫でる。
……無意識にそんな顔しちゃったのかな。
「お時間頂くんでこちらにどうぞ!」
ヒカルは誰も座っていないカウンターの席を案内した。
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