6.

慎之介は思わずその頬にキスをした。

そしてタガが外れてしまったのか、
慎之介は何度もキスを繰り返した。

頬、こめかみ、耳、目蓋……。

「ヒカル、元気になって…?」

ヒカルはどこに触れても熱くて、
慎之介は祈るような気持ちで唇を重ねた。

「ふ……」

唇と唇の隙間から息が漏れ、
ヒカルがゆっくりと目を開けた。

「ん……。
しん、のすけ……さ、ん……?」

ヒカルはぼうっとした視界に慎之介を捉え、
絞り出すように彼を呼んだ。

「あ……ヒカル……!」

とろんとした目でこちらを見るヒカルに、
慎之介は何故か涙を浮かべてしまう。

笑っているような泣いているような、
変な顔になってしまった。

それが恥ずかしくて、
慎之介はヒカルに被さるように思い切り彼女を抱き締めた。

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