3.

相変わらず慎之介は絶不調で、
さすがの司ももう出る言葉がない。

魁斗もイライラを隠せない。

「みんな、ごめん……」

「シン、どこか悪いのか?」

ふるふると、
慎之介は首を横に振る。

そのまま俯き、呟く。

「でも今日なんか踊れないし歌えない……。
どうしてかはわからないけど……」

下唇を噛み締める慎之介に、
司は溜息を漏らす。

「わかった。
今日は帰って休め」

思いがけない言葉に思わず息を飲み込む。

見上げた司の顔は怒っているというふうではなかった。

「でも……」

「時間はない。
だが後のことは魁斗と詰めておく。
シンはしっかり休んで明日からしっかりやるんだ」

優しい中にも緊張感が張り詰めた司の表情。

申し訳なくて涙が出そうになる。

「ごめんなさ……」

「気にするなよシンくん。
まぁ、ドーナツに八つ当たりは良くないけどな」

弟分の魁斗に頭を撫でられてしまい、
慎之介は苦笑いした。


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