2.

「37.6度か……
だいぶ下がったの」

マスターは体温計の表示を確認する。

ヒカルはその横のソファーで寝込んでいた。

店の2階にある従業員用の休憩スペース。

大きめのソファーとそれに合わせたローテーブルがあるだけだ。

「すみません……
お店休みにしちゃって……」

「なんの気にするな。
たまには休養も必要じゃて」

昨日の営業中も少し熱っぽかったが、
閉店してから熱がぐんと上がってしまった。

寝れば熱も下がるだろうと薬を飲んで早めに就寝したが、
期待したほど熱は下がらなかったらしい。

それでも何とか起きて店を開けようとしたが、
マスターに止められてしまった。

「……ん?
誰じゃこんな時に電話してきおって」

「配達の注文かも……」

「どうせ小僧の誰かじゃろ。
放っておけばいい」

[ 23/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -