5.
さっきの台詞で少しカチンときた私は、
すっかり恥ずかしさは抜けて、
逆に怒りが込み上げて来てしまった。
(大体女の子の前で裸になるなんて!)
一言言ってやろうかと剣人さんに方をキッと睨んでみた。
剣人さんはそんなわたしに気付かず、
ガツガツと止まる事なくカレーを食べている。
その食べっぷりの割にお皿に上には米粒ひとつ残さず、
ルーも綺麗にかき集めて平らげた。
(……あの綺麗な食べ方はやっぱり剣人さんだったんだ)
いつも戻って来るお皿を見て、
X.I.P.のメンバーにもこんなに綺麗に食べてくれる人がいるんだなと思っていた。
……あとの2人があまり綺麗でない事も気になっていたけど。
ブレンドを口にした瞬間、
ようやくわたしに気付いた。
「……ん?なんだ」
無意識に見つめていたようで、
また恥ずかしくなってしまった。
「あ……ありがとうございました!
また後でお皿回収に伺います!」
「……おい!」
[ 35/41 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]