4.
「唐揚げとチャーハンでいい?」
早速キッチンに入ったヒカルは、
残り物とにらめっこした。
「マジ!?
そんなゴーカなの作ってくれんの?」
「うん。
だってお仕事頑張って来たみたいだしね」
やったー!とすっかりご機嫌な透。
ニコニコの笑顔でカウンターからキッチンを覗き込む。
ヒカルはエプロンを掛け直して手を洗い、
準備を始めた。
フライヤーのスイッチを入れ、
漬け込んでおいた鶏肉を取り出す。
「透さん、今日はどこに行ってたの?」
目線は下げたままだが、
透が退屈しなうようにヒカルは話しかけてみた。
「……」
返事がない。
不審に思ったヒカルが顔を上げると、
透がこちらを真剣に見ていた。
「……あの、透さん?」
「…………あっ!?
な、何だよっ」
急にハッとして顔を赤くした透。
きょとんとするヒカルをよそ目に、
どかっと椅子に座り頬杖をついた。
わざとらしく外を眺める透の耳は真っ赤だ。
ヒカルはそそくさと調理を進めた。
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