2.
「あっ、透さん。
どうしたの、こんな時間に」
やっぱり彼だった。
透はいたずらっぽく微笑み、
ヒカルの腕を掴んだ。
「地方ロケ行った帰り。
なー、腹減った!」
いつもは猫みたいに気まぐれな透が、
甘えモードに入っている。
掴んだ腕をぶんぶんと前後に揺らす。
なーなーと言っているあたり、
本当の猫のようだ。
「お土産は?」
ヒカルも負けじといたずらっぽく透の顔を覗き込む。
すると透は更に甘えた表情になった。
「あるから早く」
「えっ、本当に?」
意外な言葉にヒカルは驚く。
あるわけねーだろ!と言われるつもりだっただけに。
「あるある。
土産話っていう、
スゲーお土産が」
やっぱり……。
期待させといてズルい!
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