1.
「さてと。
閉店準備、閉店準備……」
今夜は閉店時間を過ぎても帰らない客がいて、
すっかり遅くなってしまった。
でもアイドルの彼らは誰も来なかった。
きっと忙しいのだろう。
そうわかっていても少し静かで寂しい。
それがヒカルの疲れを一層深いものにしていた。
クローズの看板は既に出していたので、
先に扉の鍵をかけてしまおう。
店先の灯りを消して施錠しようとすると……
「ダーメ!」
外から声が聞こえた。
今の声は……。
ヒカルはもう1度灯りを点け扉を開けた。
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