5.

剣人が不意にヒカルの手を握った。

「ちょっとこうしてろ。
落ち着くまで……」

その大きな手から鼓動が感じられる。

思いも寄らなかったとはいえ、
剣人もめったに見せない照れた顔をしている。

耳まで真っ赤なのは熱のせいじゃない。

ただ握られただけの手を、
ヒカルは組み直した。

指と指を絡ませ合った。

「……ん?」

「熱上がったら、
剣人さんのせいだからね……?」

剣人を見上げるヒカルのいたずらっぽい顔。

それを見た剣人は大きなため息をついた。

そして、


(チュッ)



ヒカルの額に口付けた。

「かわいいこと言うな。
……バカ」

[ 11/41 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -