3.
剣人はそっと額を離した。
「高熱ってわけじゃ、
なさそうだな」
大事ではないと思う。
だが、顔の赤さが気になる。
調子悪い所はないか?
剣人が確認しようとしたが、
ヒカルの返事はない。
「……オイ」
軽く耳をつねってみた。
「わあ!
な、なに?」
驚いて声を上げるヒカル。
目にはうっすら涙が浮かんでいるようだ。
それに……
「さっきより赤くなった。
どうした」
耳も熱い。
やはり体調が悪いのか?
剣人はヒカルの顔を覗き込んだ。
だが、
ヒカルはそれを避けるようにそっぽ向いた。
そして口ごもる。
「だって剣人さん、
近すぎて……」
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