2.

店から歩いてすぐの小さな公園に着いた。

昼間でこそ子供達が楽しそうに遊んでいる所だが、
遅い時間に人影はない。

街灯が寂しそうに、
チリチリと弱った光を放っている。

「……ヒカル」

「あっ……」

不意に抱き締められた。

魁斗さんがいつも付けてる爽やかなコロンの香りが、
ほんのりとわたしをくすぐる。

「……」

互いに言葉を交わさず、
ただ目を閉じる。

優しく髪を撫でられるのが心地良い。

わたしも魁斗さんの腰に手を回し、
シャツの裾をぎゅっと握った。

「……魁斗さん、話は?」

「んなの
また送るときでいいだろ。
あそこじゃ
こういうことできないし」

「……」

「……してるかもしれないけど。
たまに」

(……もう)

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