2.
店から歩いてすぐの小さな公園に着いた。
昼間でこそ子供達が楽しそうに遊んでいる所だが、
遅い時間に人影はない。
街灯が寂しそうに、
チリチリと弱った光を放っている。
「……ヒカル」
「あっ……」
不意に抱き締められた。
魁斗さんがいつも付けてる爽やかなコロンの香りが、
ほんのりとわたしをくすぐる。
「……」
互いに言葉を交わさず、
ただ目を閉じる。
優しく髪を撫でられるのが心地良い。
わたしも魁斗さんの腰に手を回し、
シャツの裾をぎゅっと握った。
「……魁斗さん、話は?」
「んなの
また送るときでいいだろ。
あそこじゃ
こういうことできないし」
「……」
「……してるかもしれないけど。
たまに」
(……もう)
[ 13/41 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]