10.
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
いつも手を合わせてくれる剣人さんに、
わたしもいつも通りお辞儀をする。
レジでお会計を済ませ、
見送りをしようとお店のドアを開けようとすると……
ドアノブにかけた手を握られた。
「夜もまた来る。
顔、見に」
そう言うと剣人さんはまたキスをしてくれた。
「うん、お待ちしてます」
「1人でもいいか?」
「……1人の方がいいな」
「ハハ、わかった。
お前を独り占めに来る」
そう笑うともう1度キスをした。
END
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