5.
不意に司さんはわたしの手を握った。
「わ!司さん……?」
「こ、これならはぐれないし、
適度な距離が保てる……と思う」
恥ずかしそうにしてこちらを見てくれない司さんに、
わたしも恥ずかしくなってしまった。
そして突然早歩きでわたしの腕を引き始めた司さん。
「わわわ!」
「次はどこだ?
何を買うんだ?」
「えぇっと……調味料と……」
「わかった。食料品売り場に行こう」
ついて行くのが精一杯!
でも司さんはそんなわたしには気付いていないみたい。
「……新婚ってこんな感じなんだろうか……?」
「えっ?何っ?
司さんちょっと待って!」
END
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