9.
耳には吐息が吹きかかり、
わたしはその背中に手を回す。
剣人さんの背中は広くてわたしの腕は回りきらないけれど、
その熱い背中は掌で優しく撫でた。
「……剣人さんちょっと汗かいてる?」
「ああ、悪い。
お前も手汚れるぞ」
不意に体を剥がされてしまった。
もっと包まれていたいのに……。
またその裸の胸に触れようと手を伸ばした瞬間……。
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mokuji
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