【SS】和西「Rainy Day」
2011/11/26 15:19

 急に降り出した雨が、地面を黒く染めていた。
 ファストフード店の自動ドアの前で、俺は空を見上げため息をつく。
 仕方ない、と思い濡れて帰る覚悟をしてアスファルトに踏み出した。



「……オイ」
「!」
 最寄りの駅を出た時、突然腕を掴まれた。
 ぐしゃり、と濡れた袖が雫を垂らす程で、俺はその不快感に眉を顰める。
 見上げると、女の傘に入った和泉が立っていた。
「何やってんだお前」
「……そっちこそ」
 厄介な相手に捕まった、と内心舌打ちをしていると、和泉はわざわざ女の傘から出て俺の手首を掴み直した。
 振り返って女に二言三言言葉を投げ、そのまま俺の手を掴んで歩き出してしまう。
「な、……待っ、オイ!!」
「うちはすぐそこだ。知ってるだろ」
「……知ってるけど」
「来い」
 有無を言わせない腕の力に引っ張られ、目もちゃんと開けていられない様な雨の中を進む。
「……今日、」
「ああ?」
「金曜とかじゃ、ない、けど」
 和泉の家に行くのは決まって金曜日だ。放課後そのまま最寄駅に来て、和泉の部屋へ行く。
 そしてそのまま朝までセックスをして、疲れ果てて眠り、日曜に家に帰るというようなサイクルだった。
 今日はまだ水曜日で、週も半ばになったばかりだ。
 和泉の家に連れて行かれても、……と思っていると和泉は肩越しに振り返り、呆れたような視線をこちらに投げた。
「期待してるんならやっても構わないが、……お前家帰ってもそのまま寝る気だろ」
「……」
「乾かさない、風呂にも入らない、『面倒』って濡れたまま寝る気だろ」
 図星を刺され何も言い返せない俺を見て、和泉は鼻で笑った。 
「転送にばかり頼ってる生活してるとそのうち痛い目に遭う」
「……うるさい」
 小さく反抗の言葉を呟くと相手は呆れたように笑って、濡れて滑る手首をしっかりと掴み直してしまい離してはくれなかった。
 雨で冷えた腕に、じわりとした熱が移された気がした。




「え、一緒に入るのかよ……」
「俺に濡れたまま待ってろって言うのか阿呆」
「別に俺は後でも……」
「いいから来い」
 上着だけはぎ取られバスルームに引っ張り込まれた。
 勢いよくシャワーがタイルを叩き、まだ水のそれが俺に向けられる。
「う、わ……ッ」
「早く脱げ」
「っざけんな……!」
 元々びしょ濡れな制服が、これ以上濡れても別に大した事はなかったが、俺は俯いてベルトを外し下を脱いだ。
 タイルの上を滑ったそれが外の洗濯機の上に放られ、次、という目を向けられる。
「脱がされたいのか?」
「……」
 向けられるシャワーはだんだんと温かくなってきた。
 シャツ越しにそれを当てられ、視界が湯気に曇っていく。
「……ッ」
 濡れたシャツのボタンは滑らず外し難い。
 もたもたとしていると、股間にシャワーが当てられ俺は壁の方へ逃げた。
 湯は後ろから追いかけてきて、狙ったように下半身を温めてくる。
「オイ、和泉ッ」
「プールとか、風呂の後に盛る種類の人間ってのはいるらしいな」
「……は?」
 和泉の手が伸びてきて、俺のシャツをめくり上げ下着にかかった。
 濡れて引っかかるそれの上から覆うように手を載せ、性器に触れてくる。
「水ってのは起源だから、本能なのかもな。……お前は、こういうので興奮するか?」
 笑うような声音で問われ、大きな手がくちゅくちゅと股間を揉んできた。
 濡れた音が立つのは、感じている俺の性器が先走りを零しているからだ。
 和泉の目が楽しげに細められる。
「……ッ」
 ほらみろ、と言われたようで顔が熱くなる。
 違う、と言いたいのに口から洩れるのは堪えた喘ぎだけだった。
「窮屈な方が感じるみたいだな」
「な、……ッ和泉!」
 タイルの壁に押し付けられ、背後から和泉が覆い被さってくる。
 下着越しに俺の性器を刺激し続けていた手が外され、ぐい、と後ろから布地がずらされた。
「あ、……っヤ、……くっ」
 隙間から長い指が侵入してきて、俺の中へと差し込まれる。
 内壁を刺激されながら、不自然に引っ張られる布のせいで性器も圧迫され、俺は目の前のタイルに縋りながら声を堪えた。
「……いつもより締まるな?」
「ち、がッ……ヤ、……こんな、ッ……外せよッ!」
「『脱がせて』って言ってみな」
「!!」
 お願いなら聞いてやらないこともない、と耳元で囁かれ俺は唇を噛んだ。
 後ろから身体を寄せてきた和泉がシャツ越しに胸を弄ってきて、がくがくと膝が震える。
「言えよ」
「嫌、だッ……」 
「……じゃあ、このままな」
「は、?……な、……っひ、ああああッ!」
 少し笑うような低い呟きと共に性器を押し付けられ、まさかと思った直後、ずらした下着の隙間から挿入された。
 ぐいぐいと無理やりに押し開き、和泉のモノが侵入してくる。
「は、……あ、……ッあ、んん……ッや、ああッ!」
 和泉はそのまま動き出し、俺の中をめちゃくちゃに突き上げてきた。
 感じる場所を的確に刺激され、頭の中が真っ白になっていく。
「う、あッ……んん、ッふ、ぁッ……」
 膨らみのない胸を揉むように触れていた手が、乳首を摘み上げ強く捻った瞬間、限界になっていた性器が熱を吐き出した。
 窮屈な下着の中へ、染みた感覚が広がっていく。
 茫然と荒い呼吸を繰り返す俺を抱き上げ、和泉は俺の濡れた下着を上から掴んだ。
 びくん、と震えた俺の反応に喉の奥で笑う気配がする。
「こういう扱いが随分と好きみたいだな」
「……ち、がう……ッ」
 涙声で応え、首を横に振る。
 嘘吐きめ、と笑う声と共にまだイッていない太い性器が激しく突き上げてきて、俺は意味のある言葉を発することが出来なくなっていった。




「……喉が痛い」
「風邪かもな」
「……ぜってぇ雨のせいじゃない」
「濡れた服着たままでいたからじゃないのか」
「……着せたままだったのはどこのどいつだ」
「俺だが?」
「……クッソむかつく」
「寝てろ。……卵粥と白粥どっちがいい」
「たまご!」
「……判った」
「あと梅干は嫌い」
「ハイハイ……」



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雨と西君と和泉。
西君はブリーフだといいなあ。白のブリーフ。笑。

非常にぐだぐだですみませんwww
下着ずらしてヤるのはロマンですね。




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