押してだめなら引いてみろ
「こんにちはトムさん!あの、静雄さんが何処にいるか知りませんか?」
「あー……悪いなお嬢ちゃん」
「そうですか……じゃあ別の場所探してきます!」
突然やってきて目当ての人物がいないとわかるとさっさと去って行く彼女はまるで嵐のようだ、と思った。
トムはふぅ、と一息漏らすと「もういいぞ、」と声をかけた。
「……すみません、トムさんまで巻き込んでしまって」
「いや、いいって。にしてもあの子、お前に夢中だな。お前のストーカーになってもうだいぶ経つぞ?」
……そう、彼女は平和島静雄のストーカーだった。
好きだと言われたのは嬉しかったが、行く先々で彼女に好きだの愛してるだの叫ばれたらそれがだんだんと鬱陶しくなってくる。
あまりにしつこいので、うっかり自販機を投げたことがあるのだがそれを喰らっても彼女は静雄を追いかけ続けた。(笑顔で鼻血を垂らしながら近づいてきたので思わず逃げてしまった)今では臨也の野郎と同じくらい嫌いだ。
「……。」
「最近あの子来ねェーな」
「…そーっスね」
彼女が静雄の元に現れなくなって一週間になった。
最初のうちはありがたかったのだが、二日三日となるとだんだんつまらなくなってきた。
「…なんだ、もしかして静雄、寂しいのか?」
「なっ!?」
「お、図星か?」
「それは本当ですか静雄さん!!」
振り返ると、一週間姿を消していた女の姿が。
頬を赤く染めて、目をウルウルさせている。……なんか嫌な予感がする。
「ようやく私の愛が静雄さんに伝わったんですね!!」
「違ェから、ぜってぇー違うから!」
「いやん、そんなに照れないでくださいよ。もう大丈夫ですって、体の隅々まで愛してあげますから」
「いやいやいや、発言が逆だから。つーか大丈夫じゃねェし」
「ふふふ、安心してください静雄さん、ちゃんと避妊道具持ってますから!」
駄目だこいつ、
早くなんとかしないと
(押して駄目なら引いてみろ作戦成功です!)
(アドバイスありがとう奈倉さん!)
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志炉さま、素敵な静雄夢をありがとうございます!
お言葉に甘え持ち帰りました!
本当に、可愛らしい…!
宝物にします><!
ありがとうございました!
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