青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「あれ、優ちゃんはおにぎりだけなの?」

佐助は小さなおにぎりを手に持つ優を見てそれだけで足りるの?と眉を潜めた。
母親の眼差しだな、と政宗はそんな佐助を見て思った。

「うん、まあ数はあるからね。」

ほら、と優は巾着から小さなおにぎりを何個も何個も、取り出す。
まるで手品のように出てくるおにぎりに元親はおお、すげえ!と感嘆の声をあげた。

「いや、でもおかずないじゃん」

味気なくない?と佐助は浮かない顔をして、ちらりと幸村を見た。
幸村は意を決したように、拳を握りバッと優の顔を見つめる。

「も、もしよかったら!一緒に如何でござるか!?」

「え、いや悪いし大丈夫だよ。」

全然足りるから、と首を振る優に幸村はぶん!と力強く首を振った。

「某だけでは!この量食べきれぬ故!それに!佐助の作ったものは天下一!宇宙一!きっと伊藤殿の口にも合いましょうぞ!」

ですから、食べましょう!そう言って幸村は重箱を優の方にずいっと差し出した。
優はぽかん、と口を開けて戸惑ったように京子の顔を仰いだ。
京子は優の心情を理解したようで、優しく笑った。

「…ありがとう、」

そう言って優は爪楊枝が刺さったアスパラベーコンをつまみ上げた。
その顔は嬉しそうに、綻んでいた。

「(食べきれぬ故、か。)」

本当は軽く食べれちゃう量なのに、ねえ。と佐助は少し赤くなった幼馴染みの顔を眺めて微笑んだ。
幸村はじっと優の顔を期待を込めた眼差しで見つめる。

「っ美味しい!」

「っ佐助!佐助!美味だそうだ!やったな!」

「はいはい。よかったねー。」


仄かに赤い幸村の顔を見て慶二はおや?と首を傾げた。
政宗は明日は雨が降んな、と雲ひとつない青空を仰ぎ見てため息をついた。


「(あの幸村が“女”に“弁当”をわけてやるなんて、な)」










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