青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「あの、本当にありがとうございました。
佐助さんのおかげで、助かりました。」

メロンパンと牛乳を手に抱えた綱吉がそう言うと、佐助は照れ臭そうに頬をかいて笑った。
佐助もこんなに頭を下げられるとは思ってもいなかったなあ、と思いながら幸村の様子をちらり、と窺う。
眉間に皺をよせ、口から、む、う、ん、と言葉にならない音を溢す幸村に佐助は呆れたようにため息を一つ吐いた。
そんな幸村はというと、意外にも、真剣に(悶々と)悩んでいた。

「(―っ!そういえば沢田殿は山本殿同様、度々伊藤殿といる姿をお見かけする、が一体どんな関係なのだろう…。友人、なのだろうか?むう、なぜだ?胸がむかむかと…。っお教えくだされ!おやかたさばぁぁぁ!)」

ぐるぐると胸の内に渦巻く感情の正体もわからぬままに、幸村は頭を悩ませていた。
考えすぎて今にも頭から煙が出てきそうな幸村の姿に綱吉も少なからず不安になっていた。

「(あらら、旦那悩みすぎ)あ、っと俺様たちもう行くね?」

人待たせてるし、そう言いながら幸村の袖を佐助は強引に引っ張る。
そんな佐助たちを眺めていた綱吉はどこかホッとしながらも、あ!と思い出したように声を出した。

「っあの!屋上にはどう行けば…」

ピタリ、佐助の足が止まった。
おくじょう?オクジョウ?屋上…と佐助は呟いて綱吉を見る。

「屋上?もしかして、綱吉くん達も屋上でお昼食べるの?」

綱吉は戸惑いながらも首を縦にコクりと振った。
佐助はあは、と乾いた笑いを一つ額に手を当てた。
きっと、あのこもいるんだろうなあと佐助は幸村の頭の中を占めている人物を想った。
隣の幸村からはぷすぷすと煙が立ち上っていた。

「…あの俺様たちも屋上、行くからさ、一緒に行こうか」











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