青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






綱吉はすでに一人で購買に来たこと、を後悔していた。
男女学年問わず人、人、人。
予想以上の大混雑。
満員電車を彷彿させるそれに綱吉はうう…、とたじろいだ。
パンを買うにも、その中に入らなければどうにもならないことは綱吉が一番わかっていた。

「す、すみません!」

意を決した綱吉は人混みの中に入ろうとするが、いかんせん物腰が弱い綱吉は目の前にいた(柔道か何か武道をやっているだろう)逞しい男子生徒に押され弾き飛ばされた。
彼の家庭教師もとい数学教師がこの現場を見ていたならば、まだまだダメツナだな、と笑い愛銃をその額に押し当てていた事だろう。
そして綱吉を慕う例の二人が見ていたら、男子生徒はそれはそれは不憫な目に遭った事だろう。

「イタッ!」

ベタっ、と盛大に床に倒れた綱吉を見て数人の人間が笑い声をあげた。
恥ずかしい、となかなか起きるに起きられない綱吉の耳に届いた声は―。

「大丈夫でござるか!?」

「え、あ…」

「!」

「…大丈夫みたいだね。立てる?確か沢田綱吉くんだよね」

同じクラスの、そう言って佐助は綱吉に手を差し出した。
綱吉は戸惑いながらも、面識のないクラスメイトの手を掴んだ。
幸村は綱吉の顔を少し困ったように見つめていた。
その脳裏には優の姿が浮かんでいた。














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