青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






キーンコーン
カーンコーン
授業終了のチャイムが学校中に鳴り響いた。

「これにて、今日の授業は終了でございます。」

ではまたお会いしましょう、そう言ってまつは教室から出ていった。
心なしかウキウキとした足取りで。
生徒たちもそれぞれ昼だと動き始める。
購買に向かうもの、弁当を取り出すもの、コンビニのパンにかじりつくもの。
ふう、と息をついた綱吉も然り、弁当を取り出そうと鞄の中を漁る…漁る漁る。

「あれ、」

「どうしたツナ?」

がさごそと鞄の中を漁る綱吉に山本はんー?と後ろを振り返った。
綱吉は鞄の中身を机にひっくり返し、中を覗きこむ。

「弁当が、ない…。」

綱吉は朝の記憶を遡る。
弁当は確かにあった。
テーブルの上、に…。

「持ってくるの忘れたー!?」

あああ、と頭を抱える綱吉に山本はそんな事もあるぜ、と笑って励ます。

「十代目ー!
昼にしましょう!」

コンビニの袋をぶら下げた獄寺が綱吉のもとに駆け寄ってきた。
袋から焼肉弁当という文字が見えた。

「ツナさーん
お昼食べましょう!」

ハル、頑張って作ったんですよ!と言ってハルもお弁当を抱えやってくる。
後ろでは京子が優と手を繋ぎ、ニコニコと笑っていた。
その隣にはかすがもいた。

「天気もいいし屋上で食べよう!」

「いいと…思う。」

「お、賛成!」

にこにこと笑って提案する優にクロームと山本が同意を示した。

「って事で行こうよツナ」

「あ、うん。
それはいいんだけどさ…。」

「どうしたの?」

「弁当忘れたんだってよ」

なかなか言わない綱吉の代わりにと山本がサラリと言う。
その瞬間優と獄寺の目つきが変わる。

「「(私)俺のあげます」」

はい!と同時に挙手した二人はそのまま睨み合いに発展した。
予想していた展開に綱吉はふうとため息をついた。
だから、綱吉は、二人に悪いからと言いたくなかったのだ。

「獄寺くん、優?
有り難いけどそれじゃ二人の分がなくなっちゃうだろ?
俺購買行ってくるから」

「じゃあ一緒に行く!
(行きます!)」

「っいいって!」

頼むから屋上で待っててくれ!と綱吉は慌てて言った。
最後のほうは尻すぼみになっていたが、

「ですが、十代目」

「迷子にならない?大丈夫?」

「大丈夫だって!」

そう言うと獄寺も優も渋々と頷いた。

「十代目!
俺は待ってますから!」

「迷子になったら電話してね!すぐに迎えに行くから!」

「わかったって」

綱吉は俺もう高校生なのになあ、と(ぶんぶんと手を振る二人に)見送られながら思った。







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