青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「HA!真田たちの敵討ちだァァァ!」

政宗が投げたボールが綱吉たちのチームの一人(クラスメイトA)に当たった。
倒れるクラスメイトを見て綱吉は思った。
敵って、俺たち何もしていないのに!と。
次々に敵討ちの名の元に倒れていく味方のクラスメイトたち。

「十代目!」

「ツナ!」

逃げて(ください)!と声を合わせる二人に綱吉は力無く首を振って言った。

「もう無理だよ」

コートには綱吉獄寺山本優そしてかすがの五人しか残っていなかった。
それに比べて相手チームは数十人、もはや勝てる気がしないと綱吉は思った。
というか、降参したいと綱吉は思った。

「…―作戦Y!」

「!」

「優?なにそれ!?」

優が叫んだ言葉に獄寺はハッと顔を強張らせた。
綱吉はその反応に一抹の不安を抱いた。

「大丈夫…。
勝つのは、ツナだから!」

そういうと優は一歩前に出て両手を広げた。
まるで当ててみろ、といわんばかりの様子にボールを持っていた慶次はキョトンと目を丸くしていた。

「当てちゃって、いいのかな?」

「当てろ慶次!」

「親ちゃん顔が怖いよ?もっと笑わなきゃ」

そんなんじゃ女の子にモテないよ、と笑って慶次は優しくボールを優に投げた。
投げられたボールは優の肩に当たり、ポンと上に跳ね上がった。

「慶次!
てめェどういう意味だ!
このやろう!」

しかも優しすぎんだろバカか!と元親は慶次に詰め寄った。

「まあまあ親ちゃん。女の子だよ?」

綱吉はあの優が簡単に当たるとは思ってもいなかったので、その光景に驚いていた。
これが作戦Yなのだろうか…?

「優!?」

「しまったー!当たってしまったよー!(棒読み)」

優は綱吉と目を合わす事無く、ああ、しまったしまったと呟いてコートから出ていった。
綱吉は結局作戦の事を聞けずじまいだった。




そうして、外野にまわった優はどこからか取り出したグローブをつけて何事もないように、政宗たちの後ろにしゃがみこんだ。

「獄寺くん!?
作戦Yって…」

「十代目、安心してください」

獄寺は優とアイコンタクトをとると、先程優に当たって転がっていたボールを山本に渡した。

「野球バカ、出番だ。」

「お、やっとか!」

「ちょっ、ちょっと待って!
作戦Yってもしかして…」

グローブを構えた優を見て山本の目がす、っと鋭くなる。
綱吉はそこでやっと作戦Yを理解した。
しかし、時すでに遅し山本は一球目を投げていた。
その期待の肩で―。


「「「ぎゃあああー!」」」



五分後その場所には綱吉たちしか立っていなかった。
綱吉は顔を真っ青にしてその光景(地獄絵の如く惨劇)を見ていた。



「これにて、体育の授業を終わるとしよう」


楽しかったなー!そう和やかに言った山本が一番怖いと綱吉は思ったのだった。








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