青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
三時限目 数学
こんなのってあり得ない!どうか夢なら醒めてくれ!と綱吉は切実に思った。
「数学は俺とリボ山先生が担当する事になった。」
お前らちゃんとやれよ、と小十郎は教室内に睨みを効かせて言った。
綱吉はここが本当に学校なのか、誰かに問いかけてみたくなった。
「ちゃおっす!
俺は優しくねぇぞ。
死ぬ気でやれよ!」
にっと笑みを見せるりボーンに綱吉はさあ、っと顔を青くする。
世界で一番聖職者から遠いであろう人物が教壇に立つなんて。
「(本当に授業するのー!?)」
なんて組み合わせだ、と綱吉は思った。
そしてどちらの数学教師も、危険な雰囲気がすると綱吉が感じたのは言うまでもない。
「真田くんあの…大丈夫?」
真っ赤に腫れた頬が痛々しいのと不憫のと優は眉をハの字に曲げて、幸村の様子を窺った。
幸村は俯き加減にコクりと頷いた。
「…大丈夫でござる。」
「もー!かすがのせいだよ!かすががあんな殺人ボール投げるから!旦那がこれ以上お馬鹿になったらどうするの?」
「悪いのは避けたお前だ。すべてお前が悪い。」
優はまあまあと、二人を宥める。
その時、幸村が思い切ったように顔を上げた。
「―っ伊藤殿は!あの、その…」
「ん?」
「あの…っなんでもありませぬ!」
「うん?」
幸村は先程の体育の光景を思いだし、山本と優の関係を聞きたかったのだが、…無理だった。
聞くに聞けない自分に幸村は深く項垂れた。
「叱ってくだされおやかたさばぁぁぁぁ!」
うあああ、と頭を抱える幸村をみて優はやっぱり頭に当たったからだろうか…後でいい病院を紹介してあげよう、そんな事を考えた。
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