青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






コートの中央では、信玄によって投げられたボールが空高く飛んでいく。
そうして、隕石の如く勢いで落ちてくる白球を幸村はぼんやりと目で追っていた。

「っしゃあ!」

「「アニキー!」」

ジャンプボールで見事ボールをゲットした元親は大きくガッツポーズをした。
少しだけ、手がジンジンと痛むのだけど、元親はそれをおくびにも出さず、自分を兄貴と慕う奴らに笑顔を見せた。
外野である元就(片手に本を装備。初めからやる気0)はそんな元親をふん、その程度の事で、と冷たい眼差しで見ていた。

「やるねぇ親ちゃん!」

「元親!俺に寄越せ!」

please!please!please me!と叫ぶ政宗に、元親は仕方ねえなと頭を掻いてボールをひょいと投げた。
Thanks!とボールを受け取った政宗は不適に笑うと大きく振りかぶった、のだが…!

「オラぁっあああ!?」

まさに手が滑ったとはこの事だと、政宗は後に照れたように語る。
ツルスポんっと政宗の手から離れたボールは彼の予想以上のスピードを出して、飛んだ。優の顔めがけ。

「ミスった!」

政宗がNO!と叫ぶのを聞きながら幸村はギョッと顔を強張らせた。
(このままでは伊藤殿に当たってしまう!)
誰もが、当たる!と固唾を飲んでいるのに、当の本人である優はまるで呑気にありゃあ、と呟いていた。
そして――。
悲鳴ざわめきが混じる中、優に迫るボールを難なく両手で受け止めた人物がいた。
並盛野球部期待のエース山本武である。
外野からはきゃあ!と黄色い声援があがる。

「おっと、
ナイスキャッチだな!」

「わ、山本ありがと」

「!」

ニコニコと笑って、手のひらでボールを転がす山本に優は助かった!とその肩をポンと叩いた。
幸村はその光景を、口をパクパクと開閉させながら見ていた。

「(…よかった。)流石山本だよね。」

「は、野球バカにはそれしかできねぇんだろ!
十代目、俺なら片手で受け止めます!」

「獄寺くん!?
張り合わなくていいから、ね?」

「…さーて、どうする。」

優は山本からボールを受けとるとふむ、と考える。

「あれ、山本が投げればいいんじゃないの?」

「ダメだよツナ!山本は秘密兵器なんだから」

「野球バカは引っ込んでろ!」

ごにょごにょと綱吉たちと話し込む優の肩をトントンと控えめに、かすがが叩いた。
かすがは綱吉たちと同じチームにいた。

「かすがちゃん?」

どうしたの?と首を傾げる優にかすがは真剣な顔をして重い一言を告げた。

「私に投げさせてくれ」

誰に、と優は聞かなかった。
かすがは殺気を放ちながら、冷たい(まるでブリザード…!)眼差しでただ佐助を見据えていた。









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