青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






コートに入ろうとした幸村のジャージの裾を誰かが、掴んだ。
掴まれていては、歩を進めることはできない。
幸村は顔を強張らせ、如何したでござろうか、と裾を掴んだ本人である政宗を振り返った。
政宗はそれは此方の台詞だ、と眉間に皺をよせた。

「どこ行くんだよ」

「…コートに入ろうかと、そろそろ始まります故」

だから、離してくだされ!と幸村は政宗の手を振りほどこうとした、がもちろんそんな答えで納得する政宗ではない。
政宗は訝しげに幸村を見つめ、首を傾げた。

「AHー?なら、なんでそっちなんだよ!」

猿も、皆こっちにいんだぞ。なんでお前だけ違うチームに行くんだ、と政宗は幸村に迫り問いかけた。
幸村はぐっ、と黙ると視線をさ迷わせた。
幸村の視線の先には綱吉たちと談笑する優の姿があった。
お優しい伊藤殿と敵同士になどなりたくない。あわよくば、もう少し、もう少しだけお話がしたい。そんな淡い想いが、幸村を突き動かす。

「っ某は!あちらのチームにいきたいのでござる!」

そう力強く言い切った幸村を政宗は数度瞬いて見て、ああ、こいつはそんなに俺と闘いたいのか!と、あらぬ勘違いをした。
政宗は心から幸村をrivalだと認めている。
ふう、とため息をついた政宗を見て、幸村は分かってくださったのだ、とホッと息をついた。

「真田、partyはまた今度な。」

「は、」

「今日は共闘といこうじゃねぇか。」

「!」

ぶんぶんと首を振って、嫌だという幸村の言葉は彼の敬愛するお館様の笛の音で遮られた。
政宗はニッと笑って幸村の肩をポンと叩いた。

「ほら始まるぜ」

「(がーん!!)」

願い叶わず、幸村はガックリと肩を落とした。
その視界の片隅には言わずもがな、優の姿があった。







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