青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
二時限目 体育
「おやかたさばぁぁぁ」
「ゆきむらぁぁぁ」
「おやかたさばぁぁぁぁ」
「ゆきむらぁぁぁぁぁ」
綱吉は目の前で繰り広げられる(ある意味この学園の名物である)殴り合い、にとても困惑していた。
教師と生徒が殴り合うなんて、そんな光景を綱吉は見たことがない。
「(これは、普通なのかな?)」
クラスの大半はその光景を何事もないように、ただ眺めていた。
そして残りは綱吉と同じように困惑している。
バキッ、と凄まじい音が聞こえて綱吉は首を竦めた(ヒイイイイイ)。
そのまま幸村が信玄の拳に吹き飛ばされ、殴り合いは終了した。
「まだまだ精進が足りんぞ幸村ぁぁ!」
「でさ、なんで女子もいるの?」
綱吉は気分を入れ替えようと、隣で京子たちと笑っていた優にそう尋ねた。
男子と女子。
担当する教師も、授業も別々だったはず、だと。
「今日は交流を深めるために男女合同授業なんだって、」
優は先ほど女子担当の前田利家から言われた言葉をそのまま綱吉に伝えた。
「…そうなんだ。」
京子ちゃんの前で転んだりしたら、恥ずかしさで立ち直れないかもしれない…。
そう少しだけ落ち込む綱吉だった。
「これより!
男女合同体育ドッジボールを行う!」
男子担当の武田信玄は雄々しくそう叫んだ。
「おやかたさばぁぁぁ!」
復活した幸村も叫んだ。
その目はやる気に満ち溢れていた。
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