青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「佐助、今日こそお前を―。」

ユラリ、ボールを構えるかすがからは黒い炎が燃え上がっているように優には見えていた、殺意という名の。
そのあまりの迫力に周りの空気が張つめる。

「十代目危険です
離れましょう」

「…う、うん。」

獄寺に促され綱吉も、かすがを刺激しないようにゆっくりと距離をとる。
かすがが味方でよかったと綱吉は心から思った。
流石のボンゴレも女性には敵わないのだ。

「積年の怨みだ!(ギロリ)」

かすがと佐助の間に一体どんな因縁があるのか。
何も知らない優だったが、その胸の内では複雑な想いに駆られていた。

「(不味いことしたかも、かすがちゃん目が、マジだ!笑い事じゃないぞコレ。運が悪けりゃ猿飛くん―。
―…まあツナが無事ならそれでいいか、うん!…猿飛くん御愁傷様です。かすがちゃんにあんなにも怨みを買ったキミが悪い)」

自己解決した優は生温かい眼差しで佐助を見つめた。
佐助はさあっ、と青くなり手をあげて降参のポーズをとっていた。
佐助にも事の重大さがわかっている。

「かすが!?ごめん!
本当にヤメテ!」

俺様まだ死にたくないよ!と叫ぶ佐助にかすがは渾身の一球を投げた。
スラッとした体をバネに、想いを糧にしたボールは真っ直ぐに佐助に向かって飛んだ。

「ぎゃあああ!」

「あ、おしい!」

佐助は全神経を研ぎ澄まし、スタントマン顔負けの動きで避けた。
ちりっと頬を掠っただけで済んだことに佐助は安堵し、自分で自分に賛辞を送りたいとその瞬間佐助は思った。

「ぐぶぼへ」

「―っ旦那ァ!」

しかし、佐助が予想していなかった事は自分の後ろに幸村がいたという事だった。
佐助が避けたボールはなんの因果か、(ぼーっとしていた)幸村の顔面にクリーンヒットした。
そのままスローモーションに後ろに倒れていく幸村を見て、周囲はカチンと固まった。
かすがだけが、佐助に当たらなかった事が心底残念だというように、ため息をついた。
佐助は足元に転がってきたボールを見て、ハッと我にかえると幸村を抱き抱えた。

「だ、旦那ァ!」

幸村は薄く目をあけて、佐助の姿を確認するとふっと笑った。

「…後は、頼む。」

「旦那ァ!!」

佐助はうう、旦那…と呻きながら幸村を抱えコートから出ていった。
もはや佐助も戦意を喪失していた。

「竜の旦那、親ちゃん慶次旦那と俺様の敵とってね」

そう仲間に言い残して。








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