青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






入学式の翌日から、婆沙羅学園では通常通りの授業が行われていた。


一時限目 古典

「きみたちのこてんをたんとうする、上杉謙信ともうします」

これからよろしくおねがいしますね、そう微笑む謙信の周りには、白薔薇が溢れんばかりに咲き誇っていた。
神々しいまでのそれに、綱吉は驚きを隠すことが出来なかった。

「(薔薇が咲いてるー!?)」


「綺麗な人だね。」

ぼそり、何気なく呟いた優の一言に、かすがは素早い動きで振り返った。
隣の佐助はまたかよ、と呆れたように溢した。

「優にも謙信さまの素晴らしさがわかるのか!」

ガシリ、とかすがに両手を強く握り締められ、優は目を丸くした。
優のかすがに対する第一印象はどこかCOOLな女の子だった。
一体何が起きたのか。
今のかすがは目をキラキラと輝かせ高揚としている。
まるで別人のその様子に、優は少し戸惑った。

「あ、え…(謙信さま?)」

頭に?を浮かべた優の鼻腔をふわり、薔薇の香りが擽った。

「わたくしのうつくしいつるぎ。
かのじょがこまっているでしょう。」

それに、じゅぎょうちゅうのしごはつつしむものですよ?にこりと笑ってかすがの頭を撫でた謙信はそれはそれは麗しかった。
かすがは声にならない悲鳴をあげ悶えていた。
優はその光景を眺め、ああ成る程、と数回頷くとにっこりと笑った。

「かすがちゃんは上杉先生にお熱なんだね」

「な!ち、違うぞ優!
謙信さまは素晴らしい方で!」

真っ赤になって慌て出すかすがが、優はとても可愛らしいなあと思った。

「じゅぎょうをはじめます」

その声でかすがは慌てて前に向き直ったが、最後まで謙信さまの素晴らしさと言ったら!と優に語っていた。
ふむふむ、そうかそうかと頷く優はふと隣からの視線を感じた。
隣と言っても優の隣には一人しかいない訳で、誰と特定するのはとても易い事だ。

「(…?)」

優の横顔をじっと見つめていた幸村は優が幸村の方に顔を向けると、さっとその顔を反対に背けた。
…まあ、いいかと優が授業を聞こうと、正面を向くと幸村はまた優の横顔を見つめる。

「(なんなんだ一体…?)」

授業を聞く優を幸村が見つめるという不思議な方程式が成り立った。








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