青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「お館様は真に素晴らしい御方で…」

佐助は後ろから聞こえる幸村の声に、内心でははらはらと落ち着かない様子でいた。
あの初な旦那が女の子と挨拶をした!その事実だけでも佐助にとっては衝撃的だったのに、なんと会話を続けている(主に幸村が熱く語っているが)。

「(ってか本当にどうしちゃった訳?)」

他愛もない会話がいつの間にか幸村のお館様への愛(その拳の熱さと言ったら…云々)に変わっているが優は嫌な顔も見せず、たまに相づちを打ったり、となかなか好ましい雰囲気だと佐助は思った。


「―助!佐助!」

「いた!
なにすんのかすが!」

いきなりぱちんと頬を叩かれた佐助は驚きながらも、痛いよ!と理不尽な暴力を与えたかすがに文句を言った(俺様を叩く女なんてそうそういないよ全く…。)
かすがはどこか晴れ晴れとした顔をしていた。

「さっきから呼んでいるのに、返事をしないお前が悪い」

「…呼んでた?」

「ああ、プリントが回っている」

早く後ろに回してやれ、と言われた佐助は頬を擦りながらそれを片手で後ろに回した。

「旦那プリントですよ」

「―おお、すまぬ!」

イキイキと目を輝かせた幸村を見て少しは見守っててあげようかな、と佐助は思った。
恋だのうるさい風来坊じゃないけどね、とひとり笑い始める佐助をかすがは気持ちが悪いと罵るのであった。







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