青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「―…もう寝ようかな」

優は読んでいた本を閉じて、ふあ、っと小さな欠伸を一つした。
携帯のディスプレイに表示された時刻は、22時を過ぎていて優は少し顔をしかめた。

「読みふけり過ぎた」

優は立ち上がると本を本棚に戻した。
そして、ベットにぴょんと飛び乗るとパチンと電灯の紐を引っ張って電気を消した。
少し薄暗い部屋の中で優はにまり、と笑った。
明日からまたツナ達と一緒だと、そう思うだけで自然と優の頬は緩んでしまうのだった。





―緑たなびく並森の〜



微睡んで、夢の世界に片足を突っ込んでいた優は瞬時に、飛び起きた。
まるで悪夢を見たかのように。
非情にも、ただただ鳴り続けるそれに優は顔をひきつらせ、青くした。
嫌な汗が頬を伝う。



「え、ちょっ…。」

―共に謳おう 並盛中


「いやいやいや、まさか!
違うよね?なに、誰の嫌がら…」

優はそっと携帯を開いた。
ディスプレイの明かりが暗い部屋と優の顔をほの暗く照らす。
"雲雀恭弥"
表示された名前を見た瞬間優はぎゃあ!と悲鳴を上げて携帯を放り上げ頭を抱えた。

「雲雀さんだああああああ!
ど、どうすればいいの!?」

うわああああ、と叫びだす優は近所迷惑だという事にも頭が回らないほど混乱していた。
そして、どうしようもなにも、電話に出るしか道がない事は頭の片隅で理解していた。

「も、「遅い」っごめんなさい…。」

震える指で通話ボタンを押した優は開口一番に謝っていた。
怒ってる、怒ってる。
じわじわと電話越しに伝わる殺気に優はなんだか気が遠くなりそうな気がした。
このまま気を失って、朝が来たらいいのに。
花畑にいきたい…。
そんな極地な考えにまで至る始末。

「十分後に婆娑羅高校応接室ね。」

その声の主は夢心地でいた優を敢えなく崖に突き落とす。

「え、いやあの…」

「なに、」

「もう寝ようかな、「…ふーん」…と思ってたけど行きます行きます行きたいです」

言いたい事は山ほどあったがそれら全てを飲み込んで優は諾と告げたのだった。
自分の命を守るため、

「じゃあ、急いでね」

プツリと切れたそれに力なく笑って優は立ち上がったのだった。



「補導、されないかな…。」



その頃の幸村くん


「おおお!なんと素晴らしい!お館さばぁぁぁ!団子が…!」

「ほんっと、旦那の寝言うるさい」







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