青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「良いぞ開けー。」

教師の言葉に、綱吉は勢いよく紙を開いて、きつく閉じていた瞼を開けた。
教室の何処からか歓声が上がった。
それと同時に綱吉も何も書かれていない、真っ白な紙を握り締めほうっと肩の力を抜いた。

「は、白紙…助かった。」

情けない事だか、ボンゴレの十代目ボスという座についてもやはり綱吉は綱吉だった。
もし、風紀委員になってしまったら…。
そんな事を考えるだけで綱吉の心臓は悲鳴をあげ手には嫌な汗をかいていた。
中学時代に染み付いた雲雀の恐怖は簡単には落ちない。
それは並盛に通っていた生徒全てに言えることだが、根本的に綱吉だけは次元が違うのだ。
実質的に雲雀は綱吉の部下にあたるのだから。
部下を恐れる上司など何処を探しても綱吉だけだろう。
へにゃり、安堵で机にもたれ掛かった綱吉の背中にドンと衝撃が走る。

「ぐえ」

「ツナ!ツナ!大丈夫だった?どうだった?」

優は綱吉の襟首を引っ付かみ、前後に揺さぶりをかけた。
綱吉の視界はグラグラと揺れ、それだけで何かが競り上がってきそうだった。

「だ、大丈夫!大丈夫だからやめて優!」

青い顔で叫ぶ綱吉に我に返った優は慌てて手を離した。

「ああ!ごめんツナ!」

口元を押さえる綱吉の背中を擦りながら、優は綱吉の紙を覗き安堵の息を吐いた。

「よかった…。ツナも風紀じゃないんだね。」

ああ、本当に本当によかった!と優は笑顔を見せた。

「優も?」

少しだけ顔色が良くなった綱吉はクラスを見回してそう訊ねた。

「うん!私はクラス委員だった!」

ほら、と優が見せた紙には確かに“クラス委員”と書いてあった。








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