青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
「何から何までお世話になって、ごめんなさい。」
濡れた優を見かねた佐助にお風呂まで頂いて、現在の優は借りた黒いジャージ姿だった。
人様の家で何してんだ私、と優は自己嫌悪に陥りながら。
ぺこりと頭を下げる優の頭にバサリとバスタオルが被せられた。
優の視界は瞬間白に染まった。
「うっぷ」
「こっちこそ、ごめんね。冷たかったでしょ?俺様が…」
俺様が、変な気回さなければよかったね…と小さく呟いて佐助はそのまま優の濡れた髪を拭きにかかる。
佐助の呟きが聞こえなかった優は?と首を傾げた。
「なんでもないこっちの話。
―ほら!旦那も!隅っこにいないで謝る!」
「―っ、伊藤殿!
真に、申し訳ありませぬっ!」
隅で正座をしていた幸村はガバリと、畳に額を押し付ける勢いで土下座を始めた。
「ちょっそんな大事にしなくても、ね?驚かせたのは私だし、」
顔をあげてよ、と優は困ったように眉を下げたが幸村はブンブンと首を振った。
「全て某の責任でござる!女子に水をぶっかけるなど、許される事ではござらん!」
「いやいや悪いのは私だって!」
「某でござる!」
「私だって!」
「某が…「いい加減にせんかああああ!」ぐはあ!」
言い争う二人の会話に終止符を打ったのは信玄の拳であった。
信玄に殴られた幸村は障子を破り優の前から消えた。
優はパクパクと口を開閉させ、信玄から沸き立つオーラを垣間見てピッタリと口を閉じた。
「優ちゃんは気にしなくていいんだよ。」
佐助が破れた障子を見て呟いたので優はコクりとただ頷いた。
障子が壊されるなんて日常茶飯事だよ、とぼやいた佐助の瞳が潤んで見えたのは気のせいじゃないよなと優は思った。
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