青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
「って、猿飛くん!私することなくなったよ!」
「うーん、そう言われても、ね…。」
もうすることないし、と佐助は玉ねぎを炒め始める。
手持ちぶさたになった優はええ、と不満の声をあげる。
「私、何もしてない!」
「そうだねー…あ、」
―ただいまでござるうううう!
「え、」
聞こえた声に優はあれ、と目を丸くした。
佐助は突然何かを思いついたようで、ニヤりと笑みを浮かべた。
「そーだ!優ちゃんすることあるよ。」
「マジか!何々?」
佐助は火を止めると優を置いてトタトタと廊下に消えた。
「猿飛くん?」
「ハイ優ちゃん!」
戻ってきた佐助は優に綺麗に畳まれたバスタオルを手渡した。
「ふかふか、これをどうするの?」
「あのね、」
もう分かってると思うけど、さっき帰ってきたのは真田の旦那ね。俺様たちは三人で住んでんの。で、旦那は鍛練から帰ってくると家の裏の井戸で水浴びしてるから、タオルを渡して来てほしいなぁ。と佐助はニコニコ(ニヤニヤ)とそれだけを一息に告げた。
「井戸があるの!?」
「うん、だから優ちゃんよろしくね。」
「ん、任せろ!」
優はタオル片手に裏手に回るため、玄関に向かう。
そっか、真田くん休日も頑張ってるのか偉いなーと思いながら。
佐助はそんな優の後ろ姿を見送って、クスリと笑った。
「旦那、焦るだろうなぁ。」
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