青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
優はふう、と息をつき空を仰ぎ見た。
―あ、あの雲クジラの形だ!
「どうしたの?」
「…どうしたのって、猿飛くんそれは自分の胸に聞いてみなよ。」
優は少し膨れっ面で佐助を睨み付けた。
未だにカップ麺のことを引きずっていた優の心は少なからず荒れていたのだった。
佐助は至極楽しそうに、声をあげて笑った。
「優ちゃんのお陰で玉子二パック買えたよ。有難う。」
「違うそんなの違う。」
何で嬉しそうに買い物してんのこの人、中身お母さん?とブツブツ文句を言う優を軽く無視して佐助はニコニコと微笑む。
買い物袋にはお一人様一パックの玉子が二つ。
優を無理矢理、引きずって買ったものだった。
「ほら、着いたよ」
「どこに?」
俺様たちの家。
そう言って佐助は大きな門をくぐって行った。
「俺様たちの家、って…」
“武田”と雄々しく書かれた表札を見て優はうん?と首を傾げた。
「優ちゃん!
遠慮しないで、早く入って!」
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