青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






婆娑羅町にあるスーパー・関ヶ原は新鮮な食材を格安のお値段で提供することで地域の奥様方から根強い人気を誇るスーパーであった。

「…どうするべきか」

休日ということで、平日よりも賑わう店内。
優はある売り場の品物を、まるで噛みつくように見比べていた。
そんな優にゆっくりと近付く影がひとつ。

「…よし、これにしよう」

「なーにしてんの?」

「これで一週間乗り切る!ってうええ?」

優が振り返るとそこには買い物かごを下げた佐助の姿があった。

「あ、猿飛くん。」

「優ちゃんもお買い物?」

へえ、こっちまでくるんだぁ、と呟いて佐助は優のかごを覗いて絶句。

「な、なにこれ優ちゃん!」

「え、猿飛くんカップ麺も知らないの?」

「―っそうじゃないよ!」

カップ麺が溢れんばかり。まるで独身男性の買い物のようだと、佐助は思った。
顔を引きつらせる佐助に優はしれっと返事を返した。
佐助はそれを聞いて嫌嫌と言うように大きく首を振る。

「カップ麺って!
優ちゃん女子高生だよね?駄目だよ!こんなのばっか食べてちゃ!」

「…いやいや、当たり前にスーパーで買い物してる男子高校生に言われたくないし、君は私の母親か!」

「酷い!優ちゃん突然冷たくなったね!」

しくしくと泣き真似を始める佐助を優は面倒くさそうに一瞥した。

「猿飛くんごめん会計してくるよ」

そういうことで、じゃ!と優は片手をあげ満面の笑みを浮かべ立ち去ろうとしたのだが―。

「猿飛くん」

「俺様は優ちゃんの食生活が心配なの」

優はガッチリと捕まった右手を見て少し顔をしかめた。

「って、え、ちょっと…!」

「はいこれは返しましょうね」

優の抗議の声を無視して、かごの中身を全て棚に戻した佐助は優の手を掴みズルズルと引きずる。

「ああ、私のラーメンたち…!」









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