青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
その頃、慶次は頬を膨らまして猛抗議をしていた。
どこか、冷めた視線がビシバシと当たって、少しだけ心が折れそうな慶次だったが、
「佐助だってそう思ってるだろ?」
慶次は話題の男に一番親しい人物に助け船を求めてみる。
「―俺様は、わかんないや」
返ってきた返答に慶次はええ!と心底驚いた顔をする。
「なんで!?
あれは間違いなく恋だよ恋!」
「だってさ、旦那って恋したこと…ないと思うよ。」
ってか、ないね!と発言して佐助はふうと深呼吸をした。
今まで浮いた話の一つもなかった事実は悲しいが、事実である。
だから、彼が恋をしているかなんて当人しかわからない…いや、当人にもわからないかもしれない。
うーんと考え込む佐助を見て、慶次もうーんと首を傾げた。
「確かに幸村も、そんな話があってもいい年頃だよなあ」
しみじみとそんなことを呟く元親を元就はまるで生ゴミを見るかのよう。
「まあ、なんだろ。
懐ついてるっちゃあ、懐ついてるんだよね。」
家でも優ちゃんの話でるし、と呟いて佐助は遠くを見つめた。
「懐ついてるって犬かよ。」
呆れ顔の政宗にあはは、と笑って佐助は歩を進める。
「…俺様は、優ちゃんならいいな。」
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