青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
「伊藤殿ー!」
「あ、真田くん」
だだだだだーっと駆けてきた幸村に優は、おはようと片手をあげて挨拶を交わした。
幸村はぱあっ!と嬉しそうな顔をして優の隣を歩き始める、とそこでやっと側に立っていた男に気付いた。
ボクシングで使う、グローブを首に下げた男を見て幸村は少しだけ身構えた。
「…伊藤殿、どちらさまでござるか?」
ジトリ、眉を潜め不審げな幸村を見て優は苦笑をもらした。
「この人は笹川了平さん、京子ちゃんのお兄さんね。了平さん、こちらが真田くんです。」
そう言って優は二人の間で身振りを交えて紹介を始めた。
了平はじっと幸村の上から下まで隅々と見つめると、ぎゅっと拳を握りしめた。
幸村はというと優の知り合いかつ、京子の兄だと知って肩から力を抜いた。
「話は聞いている!
俺は極限ライオンパンチニスト笹川了平!極限によろしく頼む!!」
「某は、真田幸村と申します!
お館さまを世界で一番尊敬しております!」
そんな改めて、の自己紹介を見ながら優はふっと笑みを溢した。
なんだか、周りと温度が違うなあ、と思いながら優はパタパタと手で扇いだ。
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