青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






清々しい朝
剣道部が活動する道場では、すでに新部員を含めた部員たちが活気溢れる朝練を行っていた。
そんな中、竹刀と竹刀がぶつかり合う音に混じり素っ頓狂な声が上がった。

「へ!?ユッキー
あの、"科研部"に入ったの?」

立てた竹刀の柄に顎を乗せ声を上げた張本人である慶次は、ぽかーんと間の抜けな表情を浮かべた。
元就は竹刀を降り下ろしたまま眉を潜め、元親は嘘だろ、と目を丸くした。
そんな三者三様な反応をうけた佐助はふう、と息をついて首にかけたタオルで額の汗を拭った。

「…もう、俺様心配で心配で、」

だってあの明智サンが顧問なんてどうかしてるよ…と睫を伏せた。
そんな佐助を見て元親はううん、と唸った。
慶次はふと、科研部に所属する計算高いと有名な幼馴染みの顔を思い出していた。
そういえば…部員が足りないと溢していたなあ、とどこか他人事に考えて慶次はぽりぽりと頬をかいた。
元就もどこか思案げに、うんと頷いただけだった。


「そっかー。
ユッキーがねえ、科研部か…。」

「怖えーなそりゃあ、」

大変だね、と呟いた慶次に肩に乗った相棒が同意するかのようにキイと鳴いた。

「夢吉もそう思うよなぁ」

そんな話題に持ち上がっていた幸村は朝の手合わせと称してライバルである政宗と竹刀を交えていた。

「HA!
かかって来い幸村ァ!」

「うおおお!」


「まーたやってるぜ。」

元気だねえ、全く。
手を止め二人を眺めていた慶次と元親を目敏く見ていた部長浅井長政は竹刀をその頭に勢いよく降り下ろした。

「さぼるとは悪だ!」

「ぐあ!」

「イテ!っ酷いよ浅井さん!」

いたいいたい、と頭を押さえる慶次と元親は我関せずと竹刀を飄々と振るう佐助と元就を見て、声を合わせてひでえ…と溢したのだった。








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