青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「本当に、すごいね。」

学園にて。クラスが掲示された場所にはすでに人で溢れ返っていた。
綱吉がその人混みに躊躇を見せると、すかさず獄寺が綱吉の前を進み出る。
銀色の髪と鋭い眼光は、獄寺を知らぬ者さえ萎縮させる。
あるものは後退り、あるものはそそくさと立ち去り、そして皆が一様に視線が合わないように努める。
そうして、人の波は綺麗に分かれ道となる。

「ご、獄寺くん…。」

「十代目!此方です。」

にこっと忠犬の如く笑みを向ける獄寺に綱吉は内心で大量の冷や汗をかく。
そんな綱吉の耳に誰かの呼び声が聞こえた。

「ツナくん!」

「ツナさーん!」

「…ボス。」

「京子ちゃん!ハルに、クロームも!」

綱吉が名前を呼ばれて振り返ると、そこには京子とハルそしてクロームが笑いかけてくる姿があった。
今日から、皆が同じ学校に通うのだ。
綱吉は女子三人の可愛らしい制服姿に頬を赤らめ視線を反らした。
京子とハルは嬉しそうに笑っていて、綱吉に重大な発表をする。

「ツナさんたちも!」

「同じクラスだよ!」

「え、ホント?
…たちもって、」

京子ちゃんと同じクラス…!と喜びに浸っていた綱吉の耳に、先に発表を見に行っていた獄寺の叫びが聞こえた。

「十代目ぇぇぇ!
俺たちB組ですよぉぉぉ!」

楽しげに笑い合う京子たちを横目に、綱吉は周りから注目の的となっている現状に、これから騒がしくなるのだろうな、とため息をついた。
それでも、なんだかんだいってそれを苦に思っていないのは綱吉自身が一番よく分かっている。

「ってあれ?優は?」

そう言えば姿がない、と綱吉は辺りを見回し、仲間の一人である友人を探す。
その一言に京子とハルは先程とは打って変わって、しゅんっと項垂れる。

「優ちゃん、朝から居なかったの。」

「迎えに行ったんですけど、」

綱吉はそれを聞いてふと考える。
心当たりがあるとすれば…綱吉の脳裏に銀色に輝くトンファーが過る。
綱吉が黙った事で、不安げに見つめてくる京子たちに、我に返った綱吉は慌てて笑顔を作った。

「だ、大丈夫だよ優なら!」

そうだよね、と少し元気になった京子たちと連れだって綱吉は教室を目指した。










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