青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
機嫌良く、鼻唄混じりに歩いていた佐助は、校門を出たところで綱吉と獄寺と出会した。
「佐助さん!」
「ちっ、猿かよ」
笑顔を向ける綱吉とは反対に、獄寺は心底、不愉快そうに佐助を睨み付けた。
「獄寺くん怖いんだけど。ってか何度も言うけど俺様猿じゃないし、」
「…獄寺くん。」
困ったように眉を下げる綱吉とまるで猫のように、威嚇する獄寺を見比べて佐助はふう、と息をついた。
「十代目!こんなやつ放っておいて、早く帰りましょう」
「なに?俺様嫌われてる感じ?」
「ついてくんな!猿!」
「猿じゃないってば!」
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「―じゃあ伊達くんたちも中等部では剣道部だったんだ!」
「そ、そうでござる!
政宗殿は、某の好敵手でござる!」
その頃、優と幸村の会話は弾む…とまではいかないがなかなか良好なテンポで進んでいた。
「いいね、そういうの」
楽しそう、とからからと笑う優を見て幸村は伊藤殿の笑う姿はなんと素敵なのだろうか、と思った。
「伊藤殿は―…」
幸村が口を開いたその時、―ヒタリ、と後ろで音が聞こえた。
「!?」
幸村の隣を歩く優にも聞こえたのだろう、眉間に皺を寄せていた。
―ヒタリ、ヒタリ。
徐々に近づいてくる音。
後ろを振り返ろうとした幸村の肩を優はガシリと掴んだ。
「振り向いちゃだめだ!」
「っ伊藤殿?」
訳が分からず戸惑う幸村に優は逃げよう!と告げ、走り出した。
優は見てしまった。
白い髪を振り乱し追いかけてくる男を―。
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