青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
「それで、優ちゃんは何部に入るの?」
長い廊下を歩きながら佐助は隣をスタスタと歩く優に顔を向ける。
幸村もその隣で興味深げに見つめた。
「…パソコン部。」
ぽつり、呟かれた言葉に、佐助はへえ意外だねと率直な感想を述べた。
「伊藤殿はぱそこんが得意なのでござるか!」
キラキラと目を輝かせる幸村に、優は少し困ったように笑った。
「得意、というかよく、使うからさ…。」
「でも凄いでござる!
某は苦手でござる故、」
「あは、確かに旦那電化製品弱いよねえ」
佐助がそう茶化すと優もあははそうっぽい!とからからと笑った。
それにつられて幸村もふにゃり、と照れたように笑った。
「(…そろそろ、かな。)」
佐助は笑う幸村と優をみながら、ふっと微笑んだ。
「…あ!」
「え?」
「な、なんだ佐助!?」
突然声をあげた佐助に優はポカンと呆け、幸村はビクリと肩を揺らした。
「やっばー!俺さま用事があるのスッカリ忘れてた!…って事で、ごめんネ優ちゃん!またね!」
「猿飛くん?」
「さ、佐助ええええ!」
二人の返事も聞かず、佐助はにこやかに笑って駆けていった。
「邪魔者は退散ってね!」
そんな佐助の呟きは優と幸村に届く事はなかったが、佐助は悪戯が成功した子供のように笑っていた。
優は猿飛くん足早いんだね、と一言溢して幸村に向き直った。
「行こっか。」
幸村は頬を薄く染め、コクりと頷いた。
「(真田くんって、血色いいなあ…。)」
「…いいですねぇ」
そんな二人を影から覗く真っ白な男が一人。
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