青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ






「えー、ということで午後は部活見学となります。
入部希望者は各自見学に、それ以外の生徒は帰宅ということです。」

担任の言葉を聞きながら幸村はチラリっと優の横顔を眺める。
優は窓の外、どこか遠くを見つめていた。

「(伊藤殿は、部に入られるのだろうか…。)」

「それでは解散!」

立ち上がる優を見て、幸村はつい条件反射のようにあっ!と声をあげ立ち上がった。

「ん?」

そのまま直立不動の幸村を優は不思議そうに見つめた。
見つめられていた、幸村はバクバクと高鳴る心臓を押さえ、その口を一文字に結んでいた。
―な、何か言わねば、…しかし何を?
ぐるぐると幸村の頭を廻る拙い言葉の羅列。
息をするのも忘れ考え込む幸村。
ある意味で窮地に追い込まれていた。

「(ああ、もう!)」

そんな幸村を見かねて、救世主さながらに助け船を出したのは佐助であった。
ひょいっと二人の間に立ち入った佐助はニコリと人の良い笑みを浮かべた。

「優ちゃんさ、見学行くの?」

「ん、行くよ。」

それが何か?と首を傾げる優に佐助は幸村の肩を抱いて告げた。

「俺さま達もついてっていい?」

「!」

「いや、いいけどさ…あれ真田くん剣道部は?」

「いいのいいの!
どうせ見学なんてしなくても入ることは決まってるし、ねえ」

幸村の代わりにヘラヘラと答える佐助に優もまあ、断る理由もないしいいかと能天気に了承した。

「案内は旦那に任せて!」

「ん、真田くんヨロシク」

「―っ心得ましてごさいまするうううう!」









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