青春×××群雄劇(仮)(bsr×RE!) | ナノ
がやがやと、騒がしい音で沢田綱吉は目を覚ました。
カーテンからは溢れんばかりの光が射していて、綱吉の部屋を照らしていた。
綱吉は朝特有の気だるさに包まれながらも、体を起こしてうーんと大きく伸びをした。
「(…今、何時だろ?)」
はた、と気付いて慌てて壁にある時計を見ると、短針が7時を過ぎたところで、綱吉はほっと息をついた。
そして、綱吉は欠伸を噛み殺しながら階段を降りていく。
次第に、それはますます騒がしくなっていく。
しかし、これも慣れたもので綱吉は気にした様子もなく、ただ苦笑を浮かべていた。
綱吉がリビングのドアに手をかける―その前に、ドアが勢いよく開いた。
「十代目ぇぇぇ!
おはようございます!」
「お、おはよう獄寺君、山本も」
「よっツナ!」
ピシッと九十度の角度で頭を下げる獄寺隼人とニコニコと爽やかな笑みを浮かべる山本武がそこにいた。
彼らは綱吉の友人であり、―大切な仲間である。
「ごめん!今すぐ用意するね!」
「大丈夫っス!まだまだ時間はありますから!」
そうして、獄寺と山本に背を向けた瞬間。
綱吉はあれ、と違和感を感じてすぐさま振り返り、そしてそれが何なのかに気が付いた。
「(今日から、高校生なんだ。)」
真新しいブレザーを身につけた二人を見て、綱吉はまた年をとったんだなあ…と年相応とは言い難い事を考える。
それから、なんだか胸の内がくすぐったいような、照れ臭い、そんな気持ちを抱いていた。
「いて!」
「ダメツナ早くしろ」
ぼーっとしていたツナの背中にドカッとリボーンの蹴りが入る。
家庭教師は未だに、教え子には厳しいのだった。
「リボーン!」
「遅れるぞ」
その一言に綱吉ははっと我に返り、慌てて洗面所に走っていった。
リボーンはそんな教え子の姿を見てふっと、笑った。
(入学早々遅刻するわけにはいかないよ!)
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