「佐治。」
領家の責めるような声にびくりと体が跳ねる。
早くしないと。
佐治はもつれながらもテーブルの上に乗り、マグカップを跨ぐ。
「ほら佐治。早くしないと冷めちゃう」
領家の手はわが物顔で佐治の性器を掴むと鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気でしごき始める。
「ぅん…っ、ん、…ふっ」
佐治は抵抗せず、快感に逃げ腰になるのを必死に堪えて領家に腰を突き出す。
扱かれる竿は上を向きたいのに、扱く手は許してくれず下に無理矢理向かされる。
領家が求めている事は男としての射精ではなく、珈琲に混ぜるミルクを出させるという事だ。
だから整理現象だとしても、許されない。
自分の体であって、佐治のモノではない。
この体は領家の思うがままに動かされなければならない。
それが長い時間をかけて、領家が佐治に教え込ませた、絶対。
「りょっ…じ!!でちゃう…っ、いっちゃうっ」
「んー?何がでるの?」
「お、ちん…ちんのみるく、でちゃうのっっ」
「ははっ。ミルク出ちゃうの?じゃ、ちゃーんとこぼさないように珈琲に入れなきゃ」
「ひんっ…ぁぁ、ああぁ…、」
射精の瞬間に腰が砕けそうになる。
佐治は体を折ってやり過ごそうとするが、そのせいで性器がマグカップにぶつかりかける。
すんの所で領家がマグカップを避けてくれたが、もしそのままだったら熱々の珈琲に性器を浸すところだった。
「いくら変態に仕立ててあげたからって、おちんちん熱々の珈琲につけるのは良くないんじゃない?」
「ごめんな、さい…りょうじ、ごめんなさい…っ。だから、おちんちんはやくぐちゅぐちゅしてぇ…!」
佐治は何故領家が呆れてるかもう理解できない。わかる事は快楽のみ。
「もう出すことしか考えられない馬鹿な佐治。もっと、もっと馬鹿になりなよ」
震える性器の尿道に指先をねじ込めばあっさりと佐治はいく。
白濁とした液体はマグカップへ落ちる事はなく、テーブルの上にぼたぼた垂れた。
「あーあ。佐治がちゃんとしないからこぼれちゃったよ」
射精の余韻でぼんやりする頭の佐治は領家の言葉がうまく入ってこない。
「佐治がブラックコーヒーが飲めないからミルク入れてあげようと思ったのにね」
笑いながらも冷めた声の領家に佐治の思考がだんだんとクリアになってくる。
「りょう、じ…ごめんな、い…」
領家はにっこり笑うと佐治の頭を先ほど佐治が出した粘液に押し付ける。
「佐治がお馬鹿さんだから食器なんていらないんだよね」
そういうと先ほど避けたマグカップをテーブルにぶちまける。
熱い液体が跳ねて佐治の顔に飛び散ったが、外気に冷まされて液体は熱を失っていく。
「これならマグカップを使わなくても、愚図な佐治でも飲めるね」
「ば、ばかで、ぐずなさじのために…ありがとうございます…」
言葉とは裏腹に佐治の瞳からは涙がなみなみとあふれる。
だが泣いている暇などなく、佐治は犬のように這いつくばって冷めた珈琲と己の体液をぺろぺろと舐める。
「おいしい?」
「んむっ…ちゅ……は、…っ」
美味いはずがない。けれど領家が求めるのは肯定のみ。
「おちんちんみるくおいしい…」
佐治は吸い上げた粘液を舌に絡めて領家に見せつける。
珈琲と精液と涙でぐちゃぐちゃな佐治の顔の顔に嗜虐心がより湧き上がる。
領家の玩具になった佐治に、本当馬鹿みたいに笑いが止まらない。
「佐治、ミルク多めの方が好きだよね?」
だから、自分でミルク出しながら舐めろよ。
領家の言葉に佐治は死にたくなるが、右手は自分の息の根を止めるでもなく、領家の首を絞めるでもなく、汚れた性器を握って、ミルクを絞り出すために扱き始めたのだった。

[ 6/11 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -