昔と変わらず、俺のベッドに寝転んでは好き勝手ごろごろする。そんな猫のような姿に俺は不覚にも懐かしさと愛しさを感じた。

「こうやってお前がこの家に来るのは何年振りなんだろうな」
「んー、あんま期間は空いてないんじゃねえ?3年くらいかなァ」

3年、だ。
さして長くはなかったのかもしれない。しかしお互い海外に出てしまってからは疎遠だった。
テレビ等で近況などは把握していたが、再開したのなんてついこないだだ。風貌も変わり、体格も違う。環境、サッカーの仕組みでさえいろんなことが変わった。
しかしそんな中で俺は驚いてしまった。

「久遠さんとは、まだ続いていたのか」

てっきり、ただの火遊びだと思っていた。
監督と不動がまだ関係を持っていたなんて知らなかった。

「うーん……てかアイツさ、俺がいないとダメみたいなんだよねえ」

籍も入れちったんだよねーと笑う不動がいる。
俺はただただ信じられなかった。

「それは、いいのか」
「え?」
「背徳心とか、ないのか」

目をぱちくりさせた後不動はフッと笑う。

「背徳なんかじゃねーんだよ鬼道ちゃん。お互いが愛し合ってる、それだけでいいって道也は言ってくれたんだ」

幸福に笑う瞳はいつぞやの孤高の反逆児らしからぬ美しさだった。
確かに俺はあの時からこの瞳に恋していたんだ。