あの人の嘘は見え透いていて
見てるこちらが痛くて痛くて痛くて痛くて
「なんで嘘つくんすか」
ついに言ってしまった。先輩の顔はよくわからなくて、どんな感情かも分からなくて、いつもは嘘がバレバレなくらいわかりやすいのにわからくて俺は泣きそうになって。
ぺてん師、クズ、死んでしまえ、ヤリチン、エセゲイ、ノンケ野郎とか保健体育で習った性病の名前とか、最後は涙声で弱々しく吐き捨てて、先輩はあきらめたような目をしてて、俺はムカついてビービー泣きながら叫んでそこらへんにあったリモコンとかティッシュ箱とか投げて、髪とか引っ張っちゃって、殴ってみて、やり返されなかったからもっと殴ってみて蹴って、それでも気持ちが晴れなくて先輩が俺のモノだけになるよう祈りながら強姦して。
してやったのにまた嘘つかれて、でも先輩の事が好きで堪らなくて。

また俺は罪を裁くんだ。