(∇お前の嫁は俺の嫁)



屋上に取り残された私は当然財前君と2人きり。すんげぇ気まずい。だってさっき【うざいっす】とか言われたからね普通に。


謙也君もどうして置いていくかなぁ…。あんなスピーディーに走られたら教室から屋上までの道のりなんて覚えられるわけないじゃん!!あの人絶対アホだ!!



てか財前君は私と2人で気まずくないわけ?って思って財前君の方見たら普通にウォークマンで音楽聞いてたからまじで殺意わいたんだけどこれ。


てか私寂しいじゃん!!財前君寝てるし!!ウッワなにこれ泣きてー!!もううざいと思われてもいいや、話しかけちゃえー!!



『財前君!!なんの!!曲!!きっいってっるっの゛!?』


そう言って私は財前君の片方のイヤホンをとって私の耳に入れた。


「ちょっ…」


大丈夫〜大丈夫〜痛くも痒くもないんだよ〜君が笑ってくれるなら〜♪


『え…ピエロ?もしかして財前君ボカロ厨だったりする?』


「…笑わないんすか?」


『は?何を?』


「俺の趣味ネットサーフィンなんすけど、なんかオタクみたいって引かれること多いんすよ」


『アハハハハ何言ってんの。人の趣味なんて誰かにどうこう言われる筋合い無いでしょ。てか私の趣味も財前君と似たようなもんだし』


「…そんなこと言われたの初めてっすわ。おおきに」


え?なんでありがとう?


『ちなみにミクは俺の嫁だからシクヨロ』


「なに言ってんすか。俺の嫁っすわ」


それからなぜか財前君と私の趣味が異様に合い、すっげー語った。なんだろう…誰か思い出すんだよなぁ…。

気づいたら1時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴っていた。



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「見えない臓器の名前は」
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