(∇オリンピックのアレ)



「オラ席つけー一時間目始めるで」


チャイムとともに授業が始まるのは普通の光景。しかしこの学校ではチャイムとともにお笑い講座が始まった。


え?受験生だよね?大丈夫なの?いくら大阪だからって高校の面接がネタで合格すると思えないんだけど。


「あ、そういや進藤校舎わかんねーよな。忍足案内してやれ」


「おん」


そういって謙也君は私の腕を引っ張ってたたせた。は?今?今からなの?


『ちょっ、授業は!?』


「現社でお笑いについてやからあんま意味ないやろ」


なにやってんだこの学校は。
現社でお笑いってそれ現社じゃないから。吉元行け吉元。


ってそんなこと気にしてられない。なぜなら謙也君は私の腕を掴んだままさっきみたいなすっげースピードで走り回っているから。
ちょ、痛い痛い痛い痛い!!腕の肉が!!ってか肩脱臼しそうなんですけど!!!こんなの校舎案内なんて言わないよ!!
























「ここが屋上や」


『はぁ』


「なんや、嬉しくないん?絶好のサボりスポットやで!」


そんなドヤ顔されても…。私は川越スマイルの方がみたかったわ。…じゃなくて!


『サボりスポットなんて案内してくれなくても私授業とかサボらないから!もっとなんか、理科室とかそういうとこ教えろよ!!』


「しゃーないやろ、俺かて案内とか初めてなんやから!!」


いや普通わかるだろ!サボりスポットってなんだよサボりスポットって!!!
サボりは高校から許される行為なんだよ!私は小学校よくサボってたけどね!ハハハ!


「…ん?あれ、謙也さん?誰やその女」


「おー、財前やん。なにサボってんねん!しばくぞ!」


いやあんた人のこと言えねーけどな。


「謙也さんの彼女っすか?」


「ちっ…違うわアホ!俺の彼女はもっとグラマスな女や!」


『ほぅ、つまり私は貧相だと』


「あ…、い、今のは言葉のあやといってな…!」


『うっわ、謙也君ないわーまじないわー』


「標準語…?」


『あー、私東京から転校してきたんだ』


「ふーん」


『興味ねーのかよ』


こいつ年下だよな?さっき謙也さんとか言ってたし。え、なに、私なめられてんの?


「財前光っす」


『え?オリンピック?』


「すんません、ちょとシバいてええっすか」


『無理無理無理無理無理無理』



なにちょっと財前君コワァ!!!
ピアスしてんじゃん!!!
ピアスに見とれてオリンピックとか言っちゃったじゃん私のバカアアァァ!!!財前君めっちゃにらんでる!!!ちょっ、コワァ!!!



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